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狂気(と愛)


世界的に有名な演奏家のパフォーマンスが、(私は特に悪かったとは思わないけれど)たぶん人々にそれほど感動されなかった事実があって、
それ以来、人を感動感激乱舞させる演奏とそうではない演奏について、何が違うのか?ということを考え続けている。
人間的に、健康的に完結しているレベルの演奏に、ひとはあまり心惹かれないのではないか、という自分なりの結論を話した時に
芸術は本質的に狂気を孕むものだから、と返されたら、妙に納得してしまった。
と、同時にその狂気に喜びを求める人間とはなんて残酷なんだろう、と思う。



欠点を直すには、とんでもない愛が要る
と有名ピアニストの言葉。
作品に対する愛、
仕事というものに対する愛。
作曲家に対しての愛。
バランスなんて知ったこっちゃない。
はたから見れば歪んで、狂って、偏っているのが自然な人間の姿。

歪さで満足するな
愛が深ければ深いほど
全てにおいて愛を感じ終に円い愛に育つと思う。

バランスを求めるな。
丁度良い適温などありはしない。

どちらもほんとう。
ぶっ壊せ。包み込め。