いびつ、と呼ぶのが的を射ているのかわからないけれども
ざらざら。
ごわごわ。
じじじじ、という振動音であったり、
そういう耳触りの音の存在を、
昨今は多く否定され、例えばCD制作でも編集して全部消す傾向にあるけれども、
私にとっては、そのざらざらした耳触りの音が存在してくれないと、
リアルな音の響きは構築出来ない。
皆んな、はっきり言うべきだよ。
電子ピアノはピアノの代わりには絶対ならない。
電子ピアノには耳触りのある音は存在しないし、そういう発想がまず無い。
どんな高機能が付いたとしても、
ツルツルの音だけでは、なんとも立体的に組み立てることは出来ない。
それでどこかで聴いたことあるな、みたいな
有名メロディを並べるだけでは、クラシックの魅力とは言えないし、それじゃない。
Y●MAHAとか大手のピアノ制作会社はコンサートやホール自体を支援してたりするから、
色んな所でお世話になっている皆んな(ピアニストは)はっきり言いにくいかもしれないけれど、
電子ピアノは電子ピアノという楽器であって
決してピアノでは無い。
それをはっきりと否定しないと
クラシックってそう(凹凸のない世界を良しとする)なんだ、とか
生の音の持つ力のポテンシャルに気づかない人を、世の中に増産してしまうことになる。
NOということは
面倒クサイし、エネルギーも要るし
自分の代わりにその仕事を引き受ける演奏家も大勢いるだろうし、
自分だけが切られて終わり、になる可能性もあるから、その事情も分かるけれども。
これじゃない!
と、先ず自分たちが発信しなければ、
この利便性が先行する現代で
わたしたちの感覚は「省略」され、本当の魅力も伝わらず消えゆく運命にある。
シンギングボウルを鳴らすようになってから
あと、最近自分のアトリエで、本当に生の音楽を分かち合うコンサートを堪能しているからかもしれないけれど、
自分の楽器から身体に振動が伝わって、それが地面や空気を震わせて、聴いている人にも伝わって、、
という体験を基に、音楽を、演奏を操るようになると
もう、その「雑味」と言われそうな音の層が存在してくれないと
ムリ。
ピアノパートをコピー機のような印刷で
あとヴァイオリンとかクラリネットを本物、絵の具を使って描いて下さい、
はい、それで本物の絵を完成させて
って言われても、そんなん無理でしょ。
自分の感覚をそこに合わせるのが、苦痛になってきた。
我儘を吐きました。
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